再会と再開

子供会員は1人だけいました。

昨年夏、4歳から5歳になったばかりの子です。
その頃には小学生含めて数名いたのですが、元元いた
会員の子もコロナの関係でやめてしまい、マンツーマンで
やっていました。

先週、体験に着た3年生が入会して、昨日が初日でした。

その為、17時前に開けなくてはならない為、15時過ぎには
ジムを開け、除菌機をつけロードワークに出ました。

何でしょうか。

この手の説明の出来ないこと、信じる側ではあります。
亡くなった中学時代の友人が電話をまたかけてくるような気がして、
電話番号は変えずにいます。
今ではジムの転送用として使っている為、どの道変えることなく
使い続けています。
また電話してくれるかもしれないですし。

少し前に引退を決意した悠作のことを考えながら走っていました。
あの時、自分は何をするべきだったか。
その再確認ばかりしています。
生涯初にして最後になってしまったタイトルマッチのことです。

僕は交通事故で、彼は家庭の事情でブランクを作って11年前、
同じ日に再起しました。
母子家庭の彼は、お母さんを養っていました。
個人の生活事情などリングには関係ないですが、でも、もっと頑張らせて
あげたい気持ちでした。

「あれー。」
2駅ほど走って、コンビニの店頭で炭酸水を被り、軒下で少し休憩
していると、聞き覚えのある声が聞こえたので顔を上げると悠作でした。

仕事が早く終わったのだそうです。

「ミット持ってあげるからたまには顔出しなよ。」

そんな話をして別れました。

17時に元気よく、だけど少し遠慮気味な声で、新会員が入ってきました。
「ちょっとおいで。」
一度は入ったその子を、入り口に呼び戻します。
こういう際、指導というよりはアドバイスのつもりで告げます。


「友達のお家に遊びに行った時に靴をちゃんと出る方向に向けて
上がるんだ。そうしたらこの子は出来るなってお友達のお母さんとか
思うから。そうなったらお父さんとお母さんが嬉しいんだよ。」


こうしなさい、という伝え方はしません。
息子の時もそうでした。
褒めたら人間は何割か増しで成長を早めます。
子供も大人もです。

プロ志望もプロも、プロではやるつもりもないアマチュアで試合したい一般も、
だから子供も。
沢山褒めます。
褒めたら人間は猿だから、喜んで木に登るのです。
失敬。
人間は人間なので、でも、褒めたら喜んで頑張るのです。

40歳過ぎた悠作も褒めて沢山伸びてくれました。
タイトルまではあと一歩でしたが、胸を張れる内容でした。
他所の所属でありながら掛け持ちで通う30過ぎのリョウも同じです。


「ご飯一杯食べるんだよ。」
マンツーマンの指導を終えた3年生を見送って大人の指導が始まります。

「上手に出来ない自分を気にしなくて大丈夫だからね。みんな自分のことしか
気にしていないから誰も君のことなんて見てない。」
練習中はそんなものだから気にしなくてもいいと体験の若者に云いました。


殴ったり蹴ったりすることは一番のストレス発散法です。
日中、日本と中国ではありません。
勿論、日本ハムファイターズと中日ドラゴンズでもありません。

   仕事の件で人と会っていたのですが、その際もその方に云いました。

「人間は気持で生きているから気持で簡単に壊れます。」

以前にも記しましたが、続けます。
コロナ云云でストレスが溜まっているのは皆、同じです。
溜まったストレスをネットの掲示板などでぶつけているのは正直気持ち悪いです。

そう輩を擁護は出来ませんが、原因はストレスです。
そのストレスは殴ったり蹴ったりすると和らぐのです。
ストレスがたまると人間の細胞は死に、シミやシワが増えます。
白髪も増えるし、毛も抜けます。
身体的に不自由になった人も見たことがあります。


「だから、」
ジムへの勧誘はしません。
「枕とか殴るといいですよ。」

誰かを傷つけるのではなく、自分を傷つけるのではなく枕なら壊れても
ニトリで新しいのを買えばいいのです。

僕のミットに興味があるのなら来てください。
そのストレス、受け止めます。
ダイエットの相談、男性も女性も受けています。
女性には周囲に気づかれぬよう、そっと耳打ちします。


何より、旨い飯食わせます。